ねこのようちえん
夢を見た。
まだ自分の家に庭があって、
お隣に絵描きの老夫婦が住んでいた頃。
ある日お隣から賑やかな音楽が聴こえたので、
私は庭に出て、塀の向こうを覗いてみた。
小さいお庭には、とても小さい色とりどりの回転木馬があって、かわいいぬいぐるみや、ねこや動物の子供たちが楽しそうに遊んでいた。私のそばにいたねこのしじみが、塀の向こうを見てみたい、と言うので抱っこして見せたら、しじみが仲間に入りたがったので、
明日から、この「ねこのようちえん」に通うことになりました。
という夢だった。
しじみを昨年末に家の近くで保護した時、とにかくボロボロで、歯が片方折れていて、しっぽも変な角度に曲がっていて、大きめの病院に連れていくと、心臓に腫瘍があることがわかり、それによる大量の胸水で体が圧迫されていることもわかりました。
今も心臓の腫瘍は大きくなっていて、少なくとも月に一度は病院で胸水をとらないと、食事もままならなくなります。
お医者さんからは、いつ死んでもおかしくない、と初めから言われていて、その後何ヵ月もそう言われ続けて、今に至ります。
大きな腫瘍は、しじみの小さな心臓にしっかりとへばりついていて、摘出するのは不可能なのだとか。
今日明日にも、しじみの小さな心臓は止まってしまうかもしれない。夜は私のベッドで寝るしじみ。時々目を覚まして、しじみが寝息を立てているのを確認して、安心して、また眠りにつく。
しじみの死を、私は乗り越えられるんだろうか。しじみの体が竈で焼かれる時間を私は堪えられるだろうか。
「時間が経てば悲しみは薄れ、流れていく。」
嫌だ。そんな言葉聞きたくない。
大切な存在を失いたくない。
時間を止めて。
この瞬間を永遠にする魔法を教えてほしい。
「カニバ」を観て
私が他人の作品を観て、被写体や作り手にイライラしたりしてしまうのは、それらのものに私自身の欠点を見出だしてしまうから、ということがわかった。それは合わせ鏡のようなもの。ラストのメイド服の女が出てきた時点で、私が必死に蓋をしていた「憎悪」が爆発。女・食・性・女・食・性ぎぎぎぎぎぎやああああひひひひひ「その女をズタズタに切り裂いて殺せ!!!!!」と叫びそうになったので、エンドロールを観ずに会場を後にした。
さて、今日はどんな夢を見るのかな。