手術の夜
今春、ねむの入園時に作ったおべんとう袋とランチョンマットのことなんですが、洗濯を重ねる毎に作りの甘さが露呈してしまい、あちこちほつれて糸やら何やらが飛び出るようになってしまい、早く繕わなきゃと思っていたものの、忙しくて後手後手に回っていました。
ところが、先日、とうとう(アイロンの熱でくっつけるタイプの)名札の部分が剥がれてしまい、ねむが、こんなみすぼらしいランチョンマットを広げて幼稚園でお弁当を一生懸命食べているところを想像したら、何だかとてもかわいそうになって、いてもたってもいられなくなったので、一昨日と昨夜、二夜連続で修繕に取り掛かったのでした。
すると、ねむがやって来て「くまちゃんもなおしてあげて」というので、まずはそっちの作業から始めることになりました。 「ママになおして欲しい人達、みんな連れてきて」とねむに言うと、肩の部分が破れたテディベア、ヒレが取れてしまったピンクのイルカ、首が取れてしまった小さなクマ、口のバッテンの縫い目がほつれてしまったミッフィーの4名が手術台の横に1列に並びました。 そして、執刀医は私、助手はねむ、という見るからに危なっかしいコンビ(笑)による手術が始まったのでした。
ねむが、毛布とタオルでベッドをこしらえたので、「重傷」の患者はそこに寝かせることにしました。私は、テディベア、イルカと次々に縫い上げていき、ねむは、「おくすりですよ」「こうせいぶっしつ(抗生物質)ですよ」と言いながら、術後の患者さんに積み木を渡していました(笑)。
一番骨が折れたのが、首がほとんど取れてしまった小さなクマの手術で、一度首の部分の糸を抜いて、完全に首を取ってしまってから、もう二度と取れないように、チクチクと、頑丈に縫い上げました。
クマを縫い上げてから一息つき、おべんとう袋の修繕にとりかかっていた私に、野々歩さんが衝撃の一言。
「このクマ、首が前後逆についてるよ」
がーん
<おしまい>
【問題のクマとミッフィー。ミッフィーは患者の一人でしたが、好意により針山の役目も引き受けて下さいました】
【一夜明けて。問題のクマ。前からのショットじゃわかりづらい?】
【衝撃の一枚】
これ、人間の手術だったら、たいへんなことですよ。
ごめんねくまちゃん、どうしよう…