dilemma
数十年に渡って蓄積された埃と書類に埋もれるような形で、
異様な人々が、一種独特の臭気を放ちながら仕事をしている。
決して人数は多くなく、
まるで作り物のように生気の無い肌と、
時折小声まじりにむき出される歯 歯 歯が、
私の心に暗く焼き付けられた。
そして、
「窓口」とは名ばかりの、
いいかげんに置かれた長机の前に座る私。
そんな私の前に、
異形の女性が対応に現れたのだった。
私の横では、別の母親が、
悲愴な面持ちと悲愴な声で、
我が子の現状を嘆いているところだった。
私は、
精神通院の為の医療費助成の申請の為に、
そこにいたのだった。
帰宅して暫くして、
何とも無愛想な郵便配達員が、
村岡由梨様宛の「ゆうパック」を
私に渡して帰って行った。
中には村岡由梨のフィルムが、
それはもう無愛想に
あっけない形で入っていたのだった。
作品を作るべきとか、
作らざるを得ないとか、
作りたいとか。
そんな言葉ばかりが、
余りにも簡単に口をついて出て来る。
歯 歯 歯
「no more 切羽」という言葉が
急にアタマに浮かんで、大笑いした