映像作家・村岡由梨のブログ http://www.yuri-paradox.ecweb.jp/

手をつないで

 夕暮れ時、自転車に乗って家へ急いでいたら、手をつないだ母娘とすれ違った。女の子は5、6歳くらいかな。

ああ、随分娘たちと手をつないでないなと思った。

先日、次女が11歳になりました。

 

早く作品完成させたい。

バリの小さな映画祭

インドネシア・バリ島で今月開催される映画祭「ミニキオ映画祭」のSPECIAL SCREENING「IMAGE FORUM FESTIVAL SELECTED WORKS - MULTI-MODES OF INDEPENDENT FILMMAKING IN JAPAN」というプログラムで、「スキゾフレニア」が上映されます。キュレーションはイメージフォーラムの山下さん。http://minikino.org/filmweek/e/

バリといえば、大好きなQueenの名曲「Was It All Worth It 」の一節("We went to Bali, saw God and Dali. So mystic surrealistic…")を思い出します。ミニキオ映画祭、何だか名前もかわいくて嬉しいのですが…インドネシア地震で大きな被害が出ている模様。心配だ。

乖離

もし私が、「私は空を飛べる」って言ったら、どうする?

 

私はあの感触を知っている。

空を飛ぶ時のあの感触を。

 

姉はあからさまな嫌悪の表情を浮かべ

今より若い母は、まるで見知らぬ人だった。

 

もう、ここにはいられない、と

デッキブラシと、細かくたたいた肉の塊を持って

裏手に閉じ込めてあった犬を解き放つ。

犬は嬉しさに跳ね回って転げ回って、肉を頬張り、走り去った。

 

もうここへは戻れない。

遠くでぐるぐる回る赤いサイレンに焦りながら

精神病院に入れられたら、もう二度と外へは出られないことを知っているから

早く飛ばなきゃ。ついさっきまで飛んでいたのに。飛べるのに

 

夫も娘も猫も出てこないのに、現実から地続きの夢みたいなものだった。

これが何かひどく重要な夢だったのは確かで、目が覚めて、さーっと音もなく砕けていくのがものすごく私を不安にさせた。

共食い

飼っていた小鳥が亡くなってから、もう随分経つのに、未だに夢の中で苦しんでいる。自分の手で殺す夢、小鳥の死骸でいっぱいの鳥かごを見る夢。かごの中の小鳥が共食いする夢。今日の夢は、かごの中にいた2羽を放つ夢。片方はあっというまに私の手を離れて飛び立ったけれど、もう片方は飛べずに地面をずっていき、肉はちぎれ、誰かに放たれた矢がからだを貫通し、まもなく死んだ。

小鳥が死ぬ夢を見なくなる日が、いつか来るんだろうか。

以前姉がよく言っていた。

「由梨はいつも冷静で正しい考え方が出来る人だから」

今の私は、果たして「正しく」考えて生きているのだろうか。

「人のことを悪く思いたくない」と言って、机に突っ伏す娘。純粋な人。一方、私はどんどん俗物になっていく。「それは、おとなになるっていうことだよ」とK先生は言うけれど、私は大人になんてなりたくない。

 

おとなになんて、なりたくない。

おとなはずるい。おとなはうそつき。おとなは自分のことばかり。

自分のことばかり。

自分のことばかり。

一番大変なのは自分。

一番苦労しているのは自分。

一番の被害者は自分。

自分自分自分自分

もう、「私」なんて消滅してしまえばよいのに。