診察室の中と外
K先生による週1回の精神分析的精神療法を約8年間続けています。
外界から遮断された診察室の中で、40分間、先生と1対1で話をするのです。
「セックスの持つアンビバレントな聖性と俗性に、自分の体と心が真っ二つに引き裂かれる セックスの聖性による産物である妊娠・出産を経験しても、未だに自分の中で答えを見つけられないこの診察室のドアを開けたら、世界はグロテスクなセックスに溢れているから、怖くて出られない。でも今この部屋に私といる先生もセックスをして子供をもうけたわけだから先生のことも不気味に感じてしまう悲しい。結局、診察室の中にも外にも、私の居場所は無いんじゃないかと思うと、絶望的な気持ち」
娘たちを産んで、母になって、私の問題は、もっと複雑で切実なものになりました。
セックスへの憎悪で胸が焼き焦げるほど苦しんだ思春期。強烈な性衝動の一方で、自分の性器をむしりとって、メチャクチャに切り刻んでしまいたくなるほどの苦しみから、未だに抜け出せないでいます。
答えが見つからない。
答えが見つからない。
だから、作品を作らざるを得ない。
こんな私が、娘たちに、「愛する人と結ばれることの素晴らしさ」を教えることが出来る日が来るんだろうか。
愛する人と結ばれた結果、生まれた娘たちに。