「Transparent , the world is.」透明な世界
【次回作の概要】
私の作品では、「色」が重要な意味を持っている。
まず、私の核(私=paradox(パラドックス))は「白」と「黒」で表され、私の中の男性性は「青」、女性性は「赤」で表される。また、「赤」は、「現実」を表す色でもある。これは、「現実」を見ることによって傷ついた私の両眼から流れる血の涙の色に由来する。他にも、「空色」は「思春期」を表し(思春期の私が多くの時間を過ごした「青空の部屋」に由来する)、「黄緑色」は私の夫を表す色だ。
これまで私は、これらの色を混じり合わせたり、時には対立させたり、paradoxicalなアプローチでもって、内省的な世界を表現してきた。
それに対して、今回の「Transparent , the world is.」は、私にとって、初めての外交的な作品となる。これは、異なる色と色の戦いの物語だ。もっと言えば、「私」と「社会」との対立、異なる国家間・人種間の戦いの物語。
「個」を貫き通せば、それはやがて「世界」となる。
それは、私が創作活動を通して目指す地平でもあり、この世界の有り様も表しているのではないだろうか。