映像作家・村岡由梨のブログ http://www.yuri-paradox.ecweb.jp/

朝、総武線に乗って

 「作品の作り手としての私」のことしか知らない人は、私が「働いている」っていう事実に、すごく驚くらしい。逆に、「仕事を通して」でしか私のことを知らない人は、私の作品を見ると、すごく驚くらしい。私が今やっている「仕事」は、作品制作とは縁もゆかりも無い分野のものなので(追記:母がやっている会社(介護関係)の経理が私の主な仕事です)。

 昨夜仕事で、初歩的な、でも顔面蒼白にならざるを得ないようなミスを犯してしまった。その関係で、今朝一人で家を出て、久しぶりの満員電車に乗り、関係機関まで出向いて、そこでひたすら頭を下げて来た。めいっぱいお説教されてしまった。100パーセントこちらの落ち度なので、何も言い返せない。私は、ごまかしを言ったり、嘘をついたりするのが出来ない性質なので、とにかく正直に話して、何とか相手の了解を得ることが出来た。

 こんなこと初めてだった。 建物を出てすぐ夫に電話して、大泣きした。

 駅の階段の規則的な並びに、気が遠くなるような気がした。

 そしていつもの「死にたい病」が頭をもたげ始めた。

 某アニメーション作家の先生が、「仕事なんてナアナアでやっていればいい。アーティストは自分の作品・創作活動にだけ集中すればいいんだ」っておっしゃってたけど、私はそうは思えないです。私は、仕事と作品制作、どちらもナアナアになんて出来ないです。 今現在仕事を通じてつながっている人達のことが好きだし、その人達の為にもナアナアに仕事をするなんて、出来ないです。そもそも、ナアナアにやって良い仕事なんて、この世に存在するのかな。 第一、真面目に働いてお金を稼がなければ食べていけないし、子供だって養って行けないです。

 私にとっては、作品制作も重要だけど、働くことだって重要だし、子供を育てることだって重要なんです。どれが一番なんてもんじゃない、どれも一番なんです。これらの全てが組み合わさって、私という人間が形成されてるんだから。私には肩書きなんて存在しないです。私は私なんだから、それ以外の名称なんていらないですよ。

 アーティストと呼ばれる人達の中によく、真面目に働いている人をバカにするような考えを持っている人がいるけど、そんな考えを持ってるヤツこそバカじゃないかと思います。

 とにかく、「ナアナア」っていう言葉が嫌い。 何でもクソ真面目に取り組んでたら、きっと早死にしてしまうんだろうけど、自分の信念を貫けないようなら死んだ方がマシです。

 というわけで、今日は今から作品の方に没頭致します。ごきげんよう!