バリの小さな映画祭
インドネシア・バリ島で今月開催される映画祭「ミニキオ映画祭」のSPECIAL SCREENING「IMAGE FORUM FESTIVAL SELECTED WORKS - MULTI-MODES OF INDEPENDENT FILMMAKING IN JAPAN」というプログラムで、「スキゾフレニア」が上映されます。キュレーションはイメージフォーラムの山下さん。http://minikino.org/filmweek/e/
バリといえば、大好きなQueenの名曲「Was It All Worth It 」の一節("We went to Bali, saw God and Dali. So mystic surrealistic…")を思い出します。ミニキオ映画祭、何だか名前もかわいくて嬉しいのですが…インドネシア地震で大きな被害が出ている模様。心配だ。
乖離
もし私が、「私は空を飛べる」って言ったら、どうする?
私はあの感触を知っている。
空を飛ぶ時のあの感触を。
姉はあからさまな嫌悪の表情を浮かべ
今より若い母は、まるで見知らぬ人だった。
もう、ここにはいられない、と
デッキブラシと、細かくたたいた肉の塊を持って
裏手に閉じ込めてあった犬を解き放つ。
犬は嬉しさに跳ね回って転げ回って、肉を頬張り、走り去った。
もうここへは戻れない。
遠くでぐるぐる回る赤いサイレンに焦りながら
精神病院に入れられたら、もう二度と外へは出られないことを知っているから
早く飛ばなきゃ。ついさっきまで飛んでいたのに。飛べるのに
夫も娘も猫も出てこないのに、現実から地続きの夢みたいなものだった。
これが何かひどく重要な夢だったのは確かで、目が覚めて、さーっと音もなく砕けていくのがものすごく私を不安にさせた。
共食い
飼っていた小鳥が亡くなってから、もう随分経つのに、未だに夢の中で苦しんでいる。自分の手で殺す夢、小鳥の死骸でいっぱいの鳥かごを見る夢。かごの中の小鳥が共食いする夢。今日の夢は、かごの中にいた2羽を放つ夢。片方はあっというまに私の手を離れて飛び立ったけれど、もう片方は飛べずに地面をずっていき、肉はちぎれ、誰かに放たれた矢がからだを貫通し、まもなく死んだ。
小鳥が死ぬ夢を見なくなる日が、いつか来るんだろうか。
以前姉がよく言っていた。
「由梨はいつも冷静で正しい考え方が出来る人だから」
今の私は、果たして「正しく」考えて生きているのだろうか。
「人のことを悪く思いたくない」と言って、机に突っ伏す娘。純粋な人。一方、私はどんどん俗物になっていく。「それは、おとなになるっていうことだよ」とK先生は言うけれど、私は大人になんてなりたくない。
おとなになんて、なりたくない。
おとなはずるい。おとなはうそつき。おとなは自分のことばかり。
自分のことばかり。
自分のことばかり。
一番大変なのは自分。
一番苦労しているのは自分。
一番の被害者は自分。
自分自分自分自分
もう、「私」なんて消滅してしまえばよいのに。
FUCK Narration
今年1月に私の映像作品の特集上映を企画してくれた、ギリシャの非営利団体Pugnant Film Seriesが、今週金曜から土曜にかけて24時間上映イベントをやるそうです。上映作品は134本、他にもインスタレーションやライヴパフォーマンスもあるみたい。私も「透明な世界」で参加します。
https://pugnantfilmseries.blogspot.com/p/blog-page_20.html?m=1
情熱的で純粋なギリシャのアーティストたち。言葉も文化も違う国に住む私の作品を気に入ってくれて、勇気づけてくれて、私自身どんなに励まされたことか…心から感謝しています。いつかきっとギリシャに行って、きれいなギリシャの海を撮りたいなあ。
何はともあれ、今回のイベントが盛況となるよう、遠い日本から祈っています!